むかしむかしあるところに
ひとりの少年がいました。
少年は幸せな二世帯住宅に住むという
現代日本の幸せの典型を夢みる
何の変哲もない子供でした。
ところが、運命とは皮肉なもので
少年には次々と試練が与えられました。
試練はなかなかに厳しいもので
少年はありきたりの幸せを手に入れることを
断念せざるを得ませんでした。
ただ、少年は幸せを求めることを
諦めませんでした。
挫折し、苦悩しながらも
自分なりの幸せのかたちを探し求めたのです。
そうしていつしか
少年は強さと賢さを悟り、
立派な青年へと成長したのでした。
めでたし。めでたし。
果たして本当にめでたいのか
その答えは誰も知らない。